札幌医科大学による革新的治療:脊髄損傷への間葉系幹細胞の応用

こんにちは、HALCoMSC.CoMです。

興味深い報道がありました。「ステミラック注」という間葉系幹細胞から製造された再生医療治療薬に関するものです。

ご紹介する記事では、札幌医科大学とニプロ社によって共同開発されたこの医薬品が、臨床試験を経て承認され、実際の治療に使用されている状況について報じています。「ステミラック注」は特に脊髄損傷治療において顕著な成果を上げており、2018年の承認後、約150名の患者がこの治療を受け、その中には自力で歩いて退院した方も含まれています。

札幌医科大が総合医療メーカーのニプロ(大阪)と共同で開発した、世界初の脊髄損傷の再生医療治療薬「ステミラック」が2018年末に国の製造販売の承認を得てから5年がたった。この間、投与を行う施設は全国に広がり、約150人が保険診療で治療を受けた。かつて脊髄損傷の治療は手術やリハビリ以外に選択肢がなかったが、北海道・札幌で生まれた画期的な治療薬の登場で、傷ついた神経そのものを再生させることが可能になった。寝たきりや手足がまひした患者が、起き上がったり手足が動くようになり、日常生活を取り戻している。 

北海道新聞の報道より一部抜粋。全文はこちら(全文閲覧には会員登録が必要)

脊髄損傷、その原因と回復

脊髄損傷は、交通事故、転倒、スポーツ活動中の怪我など、さまざまな原因によって引き起こされる深刻な病状です。この症状は、脊髄のダメージによって発生し、感覚や運動機能の障害をもたらすことがあります。最も重篤な場合には、四肢麻痺や完全麻痺といった深刻な結果を招くこともあります。

治療の成果は、損傷の程度に強く左右され、完全な回復は困難なことが多いです。しかし、迅速な治療と適切なリハビリテーションにより、症状の軽減が期待できます。再生医療薬「ステミラック注」のような治療法は、従来の脊髄損傷治療に新しい希望を提供しています。

ステミラック注:脊髄損傷に対する革新的な幹細胞治療

現代の脊髄損傷治療は、主に外科手術やリハビリテーションに重点を置いています。これらの伝統的な治療法は機能の回復を目指しますが、損傷した神経組織の完全な再生には限界があることが知られています。

そこで注目されているのが、「ステミラック注」という間葉系幹細胞を活用した新しい再生医療の手法です。この治療法では、患者自身の骨髄から採取した幹細胞を使用し、損傷した神経組織の再生を促します。この先進的なアプローチは、従来の治療法では達成できなかった神経機能の回復を可能にすることが期待されています。

歩行回復への道:ステミラック注による脊髄損傷治療の実例

北海道新聞の報道によれば、ステミラック注を用いた治療は、2018年の終わりに国からの承認を受けてから、150人以上の脊髄損傷患者に対して実施され、顕著な成果を上げています。治療開始前には歩行に苦労していた、あるいは全く歩けなかった多数の患者が、ステミラック注による治療後には大きな機能の向上を実感しているようです。

中には、リハビリテーションと併用した治療によって、自分の足で歩いて病院を退院することができた例も報告されています。これらの例は、ステミラック注が脊髄損傷治療における新たな可能性を開いていることを示しています。

幹細胞治療の未来

ステミラック注による治療法は、日本国内で広く普及し、その効果と潜在能力は注目に値します。幹細胞を用いた治療法は、脊髄損傷のみならず、脳梗塞や新型コロナウイルスによる重症急性呼吸窮迫症候群(ARDS)など、多様な疾患や状態に応用されています。

これら疾患に共通するのは、従来の治療法では対応困難とされてきた「組織の再生」の課題です。幹細胞治療が秘めるさまざまな可能性は明らかであり、今後の発展に大きな期待が寄せられています。

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