iPS細胞で網膜移植

世界初の治療法の確立へ。iPS細胞から作った網膜移植

こんにちは。HALCoMSC.CoMです。

iPS細胞を使った新たな取り組みが報道されました。

神戸アイセンター病院と理化学研究所のグループの計画は、未だ根本的な治療方法がない目の難病「網膜色素変性症」の患者さんにiPS細胞から作った網膜を移植するというもので、年内にも1例目の移植手術を実施するとのことです。

神戸アイセンター病院と理化学研究所などの研究グループは9日、iPS細胞由来の「神経網膜シート」を、網膜色素変性の患者に移植する臨床研究の計画を発表した。失明に近い状態から、明暗を認識できるまで視機能が回復する可能性がある。大日本住友製薬がシートの製造を手がける。厚生労働省などの審査を経て、来年度に1例目の移植を実施したい考えだ。

臨床研究は、ほぼ視力を失った患者2人を対象に実施する。失われた視細胞の代わりに、iPS細胞から作った直径およそ1mmの神経網膜シート1~3枚を網膜内に移植し、拒絶反応や腫瘍形成がないかを1年間かけて確認する。

薬事日報の報道より一部抜粋。全文はこちら(全文閲覧には会員登録が必要)

iPS細胞と間葉系幹細胞の違い

ips細胞と間葉系幹細胞

今回の取り組みで使われているiPS細胞は正式には(induced Pluripotent Stem cells:人工多能性幹細胞)と言い、人の皮膚細胞から人工的に作られる細胞のことを指します。

我々ToGEARのご提供するKINTARo細胞は間葉系幹細胞ですので、幹細胞というジャンルでは同じですが、そのアプローチは大きく異なります。

間葉系幹細胞は人体に元々存在する幹細胞であるため、それを使った幹細胞治療は自然由来と呼ばれ、既に実用化されています。ただし、特定の細胞を意図的に作り出したりすることは出来ません。

対して、iPS細胞は人工的に狙った細胞(今回で言えば視細胞)を作り出すことができる反面、その難度は高く、がん化のリスクなどを含めて安全面をクリアする必要があります。

今回の報道に書かれている「1年をかけて確認する。」の部分が正にこれに当たります。

いずれにしても、目の難病を抱える多くの患者さんに文字通り「光を与える」ことが出来れば、それは非常に大きな意義を持った取り組みであることは間違いありません。

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